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経済学研究科 藤本 直樹

ウィリアム・トンプソンの社会改革論

19世紀の経済学者ウィリアム・トンプソン(1775–1833)の経済思想・理論を中心に、古典派経済学と社会改革について研究しております。古典派経済学者は、絶対主義的な政治権力に対して自由を説いた一方、資本主義の出現を見つめ、貧富の差などの問題についても取り組みました。絶対的な権力を避けた社会改革の方法としてトンプソンが選んだのが協同組合でしたが、この意義と限界を明らかにし、現代を考える一助としたいと考えています。

経済学研究科 馬場先 薫

局所平均処置効果曲線の完全ベイズ推定法の開発

ベイズ統計学を用いた統計的因果推論手法の開発を行っています。政策や医療、マーケティング施策等おいて、「誰に・どの程度効くか」とその不確実性を正確に見極め、現場の意思決定に直接役立てる枠組みの構築に関心があります。研究と実務の両方で替えの利かない価値を社会に提供したいです。

経済学研究科 中野 領也

複数データを用いた分離ラベル状況での因果効果推定と識別

統計学・計量経済学を基盤として、複数データを用いた因果効果推定を研究しています。特に、処置・アウトカム・共変量が同一ユニットで観測されず、情報が複数のデータに分かれて存在する「分離ラベル」状況を対象に、因果効果の識別・推定・推論を一貫して扱う方法論の構築に取り組んでいます。今後は研究成果を社会実装につなげ、医療などの現場で利用可能なデータ分析基盤や意思決定支援の仕組みへ発展させたいと考えています。

経済学研究科 久保田 誠吾

戦前・戦後日本における社会民主主義的財政構想の形成と限界

財政は単なる政策技術ではなく、社会のあり方や優先順位を具体化する仕組みです。私はこの視座から、軍事費の膨張に抗い、大衆の生活重視を求めた社会大衆党に注目し、1930年代日本の戦時体制への移行プロセスを財政の視点から再構成してきました。今後は戦前と戦後をつなぎ、財政をめぐる複数の選択肢が存在したことを明らかにするとともに、その知見を広く発信し、社会のあり方について問うていきたいと考えています。

文学研究科 津上 朗

「夜の情景」絵画における親密さ:ジョルジュ・ド・ラ・トゥールを例に

17世紀フランスの画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールについて研究をしています。特に、蝋燭を描きこんだ、宗教主題の「夜の情景」作品群を中心に、その親密さを様式的・図像解釈学的に解き明かすことを博士論文のテーマとしています。

文学研究科 大太 瑛吉

オセアニアにおける環礁景観の歴史生態学的研究:出土炭化物の樹種同定分析を通して

私はサンゴ礁から形成される環礁の先史時代に興味関心があります。特に、オセアニアの中でも遠隔性の高い島嶼域における、初期居住期から現在にかけての人為的な陸上環境改変について研究しています。分析方法としては、発掘より得られた炭化物の樹種同定分析やフィールドワークによる現生植生・分布調査、衛星画像解析などが挙げられ、幅広い分野の知見を応用して歴史生態学的研究に取り組んでいます。

文学研究科 福田 寛之

構成主義における虚偽なる判断の可能性:一人称及び三人称的観点から

数学・論理学の哲学における構成主義と呼ばれる主観主義的立場を研究しています。真理を構成主義的に認識や正当化と結びつけて考えるとき、人が虚偽なる判断をなしうることはいかにして可能なのか。この問題に、言語・コミュニケーション・合理性・証明の観点に加え、構成主義の源流に遡ることで迫っています。

文学研究科 登坂 優佳

⾳楽を含む⾮⾔語表現の意味理解プロセスの解明に向けた統合的研究

非言語表現における意味理解の特性について、言語表現と比較しつつ、⾔語哲学の理論的観点と認知科学・計算機科学等の実証的観点の双⽅から研究しています。本研究では、言語表現を中心に発展してきた意味論的枠組みを非言語表現の観点から問い直すことを通じて、人間の意味理解の多様性を捉える理論の構築を目指します。

理工学研究科 髙倉 彬

バイラテラル遠隔操作に基づく力触覚を考慮した強化学習による着衣支援

これまで、人の動作や対象物の特性をインピーダンスとして同定し、環境変動に適応的なロボットの動作生成をおこなってきました。本プログラムの採択期間中にではCarnegie Mellon Universityにて、着衣や食事といった人との接触を伴う外乱の多い環境下におけるロボットの動作生成に取り組みます。
具体的には、遠隔操作で得られた力触覚を含む動作データから報酬関数を推定し、それに基づく制御系設計までを一気通貫で行うことで、実環境で安全かつ十分な速度で動作する生活支援ロボットの基盤を確立します。
将来はアカデミアの道へ進むことを希望しています。