研究テーマ

民主主義と正義(ジャック・デリダの思想を手がかりに)

哲学の分野において、「主体が世界と対峙する仕方」を分析する超越論的領域と、「いかにして共に善く生きるか」を考察する政治哲学の領域を架橋することを目指しています。

研究のきっかけ

修士論文で「私」と「世界」との関係について論じたあと、次は「他者」と一緒に生きるということを考えなければいけない、と思ったからです。

研究上の工夫等

社会の実情を念頭に置いて哲学を作り上げることを心がけています。民主主義について研究しているので、昨今崩壊しつつあるリベラル民主制と哲学の関係を考えています。また、AIが台頭する中で哲学や、より広く人文学はどういうあり方・役割を担えるかも考えています。

社会とのつながり

政治哲学は、人々が共に生きるにはどういう枠組みがあればいいか、というものを考える分野です。社会の分断が進むなかで、それでもなお共同性・公共性を諦めないための方途を示せるのではないかと考えています。
また、哲学はあらゆる学問の中でももっとも包括的な枠組みを持っています。それはより多くの人と対話できる地盤がある、ということでもあるはずです。哲学を学ぶ研究者として、学際的な対話や、アカデミアの内外を繋ぐような役割も果たせると考えています。

社会とのつながり

今後の展望(研究)

上でも述べたように、哲学は広い対話の可能性に開かれていると思います。そして哲学は言語・概念を扱う学問です。だとすれば、対話はそれ自体で哲学的な営みであるはずです。実際、西洋哲学の祖であるソクラテスは対話を繰り返していましたが、書物は一冊も残していません。AIがいくらでも文章を生み出せる現在、対話を哲学の学問的なフィールドの中に取り戻すような活動を行っていきたいです。そして対話を繰り返すことは、共有可能な言葉を紡いでいくことでもあると思います。対話それ自体が、分断が進む社会で共同性を取り戻す活動になると考えています。

今後の展望(キャリア)

従来のスタイルの研究を続けるだけではなく、新しいスタイルの研究や、社会の中での活動をし続ける哲学者でありたいです。企業との協働や、イベントの展開など、哲学が経済や社会の中で機能できるあり方を模索していきたいです。

今後の展望(キャリア)

社会へのメッセージ

私たちは誰しも、一人で世界と対峙せざるを得ません。にもかかわらず、他者なしには生きていけないのも事実です。このように「一人で生きる」と「他者と生きる」をどのように繋げられるかを研究しています。

企業の方へのメッセージ

私は哲学者として、概念や理念をどのように捉えれば、より豊かな議論が展開できるかを日々模索しています。各企業はそれぞれに理念があるはずです。その理念のあり方や、展開について、共に深めていく作業に貢献したいです。

学生、他研究機関へのメッセージ

学際的な研究で課題になるのは、枠組みを共有できないことです。私の研究する哲学は最も広い枠組みを持っており、学際的な対話の地盤を創設することができるはずです。

後輩へのメッセージ

哲学の研究というのは、「自分だけが考えていること」を「他者にも理解できる言葉で説明する」ことです。要するにコミュニケーションを可能にしていく作業です。(一般的な意味とは少しズレるのかもしれませんが)「コミュニケーション力」が確実に向上します。私自身、より多くの人と対話できるようになるのが実感できています。それは生きる喜びそのものです。